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リスクオフの季節;新興国、アジア通貨安拡大














米金利上昇の観測で投機マネー流出が続く新興国市場では、21日もQE3縮小への不安から通貨安が加速。ブラジル、インド、トルコなどで最安値を更新した。 ブラジルやインドは流動性対策を決め、トルコも通貨防衛のため今週に入り想定外の大幅な利上げに動いたが、市場の混乱は続く。南アフリカやロシア、インドネシアのほか、経常収支が良好なマレーシアなども通貨安に見舞われている。 今後、各国は利上げによる通貨防衛か、成長かの選択を迫られる。「BRICS」の言葉に象徴される安定した高成長の“物語”は終わった。 むしろ1990年代のアジア通貨危機の再来を懸念する声も出てきた。当時もFRBの政策転換がきっかけだった。危機の教訓から各国や企業は短期のドル建て融資への依存を減らし、金融システムを強化し、外貨準備も大幅に積み増した。 それでもFRBが大きく動くたびに世界中で悲鳴が上がる状況は、政策協調の枠組みが依然として立ち遅れていることを示す。世界は当時から十分に学んでいない。 バーナンキ議長が参加しない今週末のワイオミング州ジャクソンホールでの経済シンポジウム。議題のひとつは、金融政策のグローバルな影響。QE3談議はしばし置き、腰を落ち着けた議論に期待が集まる。