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PIMCOのグロース氏:中国は新興市場国の「怪しげな肉」
2月5日(ブルームバーグ):
債券運用世界最大手、米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の共同創
業者、ビル・グロース氏は中国経済の成長ペースが新興国の最大の問題の1つであり、
金融市場にとって最大のリスクの1つでもあるとの見解を示した。
グロース氏はブルームバーグテレビジョンの番組「マーケット・メーカーズ」のエリック・シャ
ツカー、ステファニー・ルール両司会者とのインタビューで、「私は中国を新興市場国の
『怪しげな肉(ミステリーミート:何の肉か分からない肉)』と呼ぶ」と発言。「そこに何があ
るのか誰にも分からず、少し信じられないような事が起こっているのでわれわれは今年、
中国など新興市場での潜在的な問題について怪しまざるを得ない」と説明した。
同氏は中国の今年の成長ペースの不確実性が投資家の不安を増幅させ、最も安全な資
産への需要を高めていると指摘。「新興市場で最後の不確定要素は明らかに中国だ」と
述べた。
2013年の中国の成長率 は前年と同じ7.7%だった。今年の成長率は7.4%と、1990年以
来の低い伸びへの減速が見込まれている。
グロース氏はPIMCOが今週、4-5年物米国債を買い入れていると述べ、米連邦準備
制度理事会(FRB)が資産購入を縮小しても短期金利は年内据え置くと予想される中で、
昨年概略を示した戦略を堅持すると説明した。
トラブル
同氏はまた、「新興市場相場は下落している」と述べ、「新興市場がトラブルを抱えている
ことが問題だ。例えばブラジルやトルコを見てみよう。これらは経常赤字が拡大している
国だ。また通貨を安定させる必要性から利上げを実施し、経済が成長鈍化というリスクに
さらされた国でもある」と語った。
グロース氏はさらに、「われわれは新興市場国の成長率や成長率予想に基づいて変わ
るヘッジポジションを用いて、世界的な金融ポジションに大幅にてこ入れしてきた」と述べ、
「成長率が低下する限り、リスク資産は一段と危険にさらされ、一層変動する」と分析した。
これは成長率が低下していくことがはっきりしてきたので資産安全のために新興国の中国や、ブラジル、トルコへの金融ポジションを外すと言っている。
新興国のリスク投資巻き戻しは長期に続くと言っていることになる。
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