- 2014/08/12
- 8月11日(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)のフィッシャー副議長は、米国で労働力の供給が伸び悩んでいることについて、長期的な経済成長の鈍化につながりかねず、「懸念材料」だと述べた。米経済は住宅部門が回復の重しになっているほか、新興市場の「広範な」減速にも見舞われているとも語った。 同副議長は11日、スウェーデン財務省がストックホルムで開催した会合の講演テキストで、労働参加率の低下に関し、低成長による部分がどの程度なのか「かなりの不確実性」があるとしつつも、おおむね高齢化を反映したものだとの考えを示した。7月の米雇用統計では、労働参加率は62.9%と1978年以来の低水準近辺となった。 同副議長は「供給面のこのような弱さがどの程度構造的なものとして長期的な鈍化につながるか、他方で、通常よりは長めだがどの程度一時的なものなのかは引き続き重要かつ未解決の問題だ」と話した。 米経済をめぐっては、昨年の住宅ローン金利の急上昇が一因となり、住宅建設が落ち込み、住宅販売が冷え込んだことで、住宅部門が「引き続き回復を圧迫している」と分析。また「回復は世界的に期待外れ」で、途上国経済の成長減速は「広範にわたっている」と言明した。 正常化の手段ある このほか、金利引き上げの時期が到来した場合、連邦準備制度は大きなバランスシートを抱えつつも、金利を「目標水準近くに維持するための手段」があるとし、「短期金利を最終的に正常化する上で、超過準備の付利引き上げが中心的な役割を果たすだろう」との見方を示した。 さらに、連邦準備制度が試験的に行っている翌日物リバースレポファシリティーについても、「市場金利の下限の設定で有効な役割を果たし得る」と付け加えた。 一方、金融規制監督当局はヘッジファンド、保険会社、シャドーバンキング(影の銀行)をめぐるリスク監視の取り組み改善を図るとともに、格付け会社のパフォーマンスを向上させる必要があると指摘した。
- イエレン議長よりもこの人の動静が重要。