兜牛レポート
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株価∝企業収益(分子)÷金利(分母)
①金利上昇がインフレ上昇によるものだった場合、企業収益にも同率の拡大が必要になる。例えば、金利が2%から3%になる場合、分母が1.5倍になるのだから、株価を維持するには企業収益も1.5倍にならなければならない。基調的な利益水準を1.5倍にするのはたいへんだ。
②金利上昇が経済成長率の向上によるものだった場合も、企業収益に同率の拡大が必要になる。経済成長率が1%改善し金利が2%から3%になる場合、やはり企業収益は1.5倍にならなければならない。経済成長率は1%しか改善していないのに、企業の利益が50%改善しなければいけないのだ。
注意せよ。
「1987年は金融引き締めが市場をオーハ゛ーキルした年
」
1987年の類似性を指摘する人は多い。ジェフリー・ガンドラック氏、ピーター・シフ、マーク・ファーバー氏、スコット・マイナード氏、バリー・アイケングリーン教授
一金利上昇率がすごい
スタートの金利の何%分(%ポイントではない)上昇したかで言えば、スタートの低さから言ってかなり大幅だ。そして経済は1987年よりレバレッジをはるかに高めている。1987年と比較し、状況ははるかに厳しい。当時よりはるかに金利ショックに対して脆弱。
2つの奇妙な偶然
・
2009年以来、政府債務とS&P 500のパフォーマンスが同期している。
・ 世界の中央銀行のバランスシート拡大と世界の株式市場の成長が一致している。
いずれも、債務拡大や量的緩和によって市場が押し上げられてきた。
一《今(中央銀行の)バランスシートの合計は縮小を始めた。だから、世界の株式市場が下落してもおかしくない》
一トリプル安が近い
株安債券安ドル安
今が当時ち違うのは米中貿易戦争を米粉自身が仕掛けていることと問題がはるかに悪化しているのにみんなが無視しているため遥かに大幅に下落することだろうと。
一《今回は前例とは異なり金利上昇が禍をもたらさない》と言う意見が増えている。「今回は違う」は投資の世界では詭弁であり、嘘か誤りである場合が圧倒的に多い。
*
インドが激しく下げ始めている
・ドイツが欧米で最も下げている
「名目成長率は4%を大きく超えており、長期金利が3%を超えたところで高すぎる金利とは言えない。むしろ、経済が回復したのに経済の実勢より低い金利を続ければ、経済における資本配分が歪む可能性がある。」
この意見は投資家も共有できるまっとうな意見だがあくまで長期的にだ。
短期的には痛みが生じる。ましてや新興国においては耐え難いものになる。米国金融は自国の金融事情においてのみ考えており他国への影響は配慮しない。
一金利上昇は経済に辛くあたるだろうが、それこそが経済の新陳代謝を促し、より適切な経済構造に向かわせようとする市場の力。
一金融緩和を実施する時のことを考えてみれば、利下げをすることで経済が(少なくとも短期的に)よくなると思うからやるのであり、それが資産価格を押し上げる。
その逆に動けば資産価格が下落するのは当然
のこと。
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