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OKIの今2014年3月期は営業利益220億円(前期比63%増)とした期初のV字回復見通しから、さらに上振れする見通しだ。会社側は10月末、通期営業利益見通しを240億円に上方修正すると発表。上方修正の最大の理由は円安による押し上げだ。今13年4月~9月期(上期)だけで売上高では131億円、営業利益では18億円の上振れ要因となった。期初時点では売上高で85億円、営業利益で8億円のカサ上げ要因(上期のみ)と想定していたので、かなりの上振れである。
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為替
ドルについては材料輸入と輸出とが拮抗しているため為替変動に対しほぼ中立的。だがユーロについてはATMなどの輸出ビジネスの方が大きいため、1円円安で年間2億円強の営業利益押し上げ要因になる。期初計画時点では、OKIはユーロ円想定を1ユーロ=115円とかなり保守的に設定していた。
構造改革
最大の焦点であるプリンタ事業構造改革についても、若干ビハインド気味だが進捗は順調といえる。前期に足を引っ張ったスペインの貸倒損失やタイの洪水影響といった一過性損失の解消(今期約85億円の増益要因)に加え、海外拠点における700~800人の人員削減など固定費削減計画(今期30億円の増益要因)もほぼ予定通りに進んでいるという。 |
優先株 唯一、のどに刺さった骨と言えるのが、10年度の赤字決算の際に金融機関らに発行した総額300億円もの優先株だ。年間約10億円の優先株配当も小さくない。14年4月から、普通株への転換請求が可能となるが、かりに現在の価格水準で全優先株を転換したとしたら20%程度の希薄化要因になる。 ただ、OKIとしては買い入れ消却を行わず、優先株主に順次転換を促し、自然な形での処理を希望している。買い入れ消却のため負債を増やし、財務健全性を痛めるよりも、現在16%と低水準な自己資本比率の向上を優先したいというのがOKIの方針である。
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