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日本株式相場(’13)の総括

  記録的な2013年の日本株高・円安、日経平均56%・ドル/円21%上昇 

  戦後4番目の上昇率   
2013年は記録的な円安・株高となった。日経平均は戦後4番目となる56%の上昇、ドル/円も過去2番目となる21%の円安が進行した。アベノミクスへの期待を背景にヘッジファンドなど海外投資家が大量の日本株買い・円売りを行ったことが直接の原動力だ。企業業績は改善しているが、期待先行の色彩は依然強く、持続的な成長力を取り戻し、期待に沿うような「中身」を入れることができるかが来年の課題になる。日経平均は、年初からの上昇率が56.7%となり、戦後4番目の上昇率となった。朝鮮戦争特需にわいた1951年(118.3%)─52年(62.9%)、日本列島改造ブームの72年(91.9%)以来の急伸だ。また年末は9連騰と2009年7月14─27日以来、バブル崩壊後では最長タイ記録となった。 
  外人主導   
その原動力は外国人投資家の買いだ。外国人投資家の日本株買いは、東証のデータで、すでに13兆7000億円を超える買い越しとなっており、2005年の10兆3200億円を超えて1年間としては過去最高となる見通しだ。日本の個人投資家(約7兆円)や信託銀行経由の年金の売り(約4兆円)を吸収し日本株を2007年11月以来、約6年1カ月ぶりの高値水準まで押し上げた。
  円安  
日本株の上昇は円安とも連動した。直接的には「ヘッジファンドによる株先物買い・円売りトレードが大量に入った」(大手証券トレーダー)とされ、IMM通貨先物の取組では投機筋の円ショートポジションが13万枚を超え、リーマンショック後、最大水準となっている。     
    ロイターデータによると、ドル/円の年初からの上昇率は30日午後3時時点で21.3%となっており、年間上昇率は1979年に記録した23.4%以来34年ぶりの大きさとなる可能性がある。    需給要因だけでなく、ファンダメンタルズ面でも円安を後押しする材料も増えてきているのも事実だ。貿易赤字が定着したほか、日銀の追加緩和期待に加え、物価上昇傾向も著しい。量的緩和縮小を決め、物価が低位で安定する米国とのコントラストも円安の背景だ。
  金利  
一方、金利が低水準で推移したことも株高・円安の大きな追い風となった。日銀が4月4日に決定し、市場で「バズーカ砲」とも言われた「量的・質的金融緩和」が需給的な効果を発揮したためだ。導入直後は長期金利が1%に乗るなどマーケットが荒れたものの、新規国債発行の7割に相当する量を買うという圧倒的な存在が金利を押さえ込んだ。
  期待感先行  
ただ、依然として期待感先行の株高であることは否めない。円安要因で一株利益でみた企業業績は過去最高水準まで迫ったが、肝心の輸出数量は伸び悩んでいる。国の予算は膨張しているが「メリハリに欠け、締まりがない」(外資系証券エコノミスト)と評価は低い。消費増税は決めたが、赤字解消にはほど遠く、企業重視の経済対策には増税で受ける家計のダメージとのミスマッチが目立ち、景気腰折れの懸念が消えない。 

主な市場指標

日経平均(円)16,291.31+112.3730日 大引
NYダウ(ドル)16,504.29+25.8830日 16:30
英FTSE1006,731.27-19.6030日 16:35
ドル/円104.93 - .96-0.43円高31日 9:02
ユーロ/円144.86 - .90-0.09円高31日 9:02
長期金利(%)0.735+0.02530日 15:11
NY原油(ドル)99.29-1.0330日 終値


  米国  

S&P500種は2013年に30%上昇し、1999年以降で初めて最高値を更新して一年を終えた。ダウ平均は年間で27%上げて、1995年以来の大幅な上昇となった。