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  • 2015/01/15...............................................................
  • スイス中銀がフラン上限廃止、市場は動揺
  • * スイス中銀、数日前まで政策の基礎としてきたフランの対ユーロ相場上限を撤廃
    * スイスフランが対ユーロで急騰、通貨高への懸念から株式は急落
    * 国内企業からは経済への打撃を懸念









     

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    • スイス国立銀行(中央銀行)は15日、過去3年にわたり維持してきたスイスフランの対ユーロの上限、1ユーロ=1.20フランを廃止すると発表した。発表を受けてスイスフランは30%近く急騰、通貨高による輸出下押しへの懸念からスイス株は急落した。
      スイス中銀のダンティーヌ副総裁は12日、フラン上限について、今後も主要な金融政策手段、との認識を示したばかり。市場は完全に意表を突かれた形だ。
      今回の発表は、量的緩和(QE)策が発表されるとの観測が高まっている欧州中央銀行(ECB)理事会の開催を1週間後に控えたタイミング。実際にECBがQEに乗り出せば、スイス中銀は上限維持に向け継続的な市場介入を余儀なくされる可能性があった。
      ジョルダン総裁は会見で、決定は「パニック的な反応」ではなかったとし、持続不可能だったため上限を撤廃したと説明した。
      その上で「このような金融政策の解除を決定した際には、市場の不意を突く必要がある」とした。
      中銀はあわせて、中銀預金金利をマイナス0.25%からマイナス0.75%に引き下げた。ジョルダン総裁は一段の引き下げが時間とともに、スイスフランに対する上昇圧力を和らげる一助となるとしている。
      発表の数分後、スイスフランは対ユーロ でパリティー(等価水準)を突破し、一時1ユーロ=0.8052フランまで上昇。その後は上げ幅を縮小し1.0255フランで取引された。
      ジョルダン総裁は「現在の為替レートは、スイスフランが著しく過大評価されていることを示している」と指摘。市場は予想外の措置には過剰反応する傾向があり、スイスフランは「いずれより持続可能な水準に落ち着く」との見方を示した。
      スイス中銀は景気悪化とデフレ懸念を背景に、2011年9月6日にフラン上限を導入。その当時は、ユーロ圏の債務危機を背景に、安全通貨とされるフラン買いが活発化、フランは過去最高値をつけていた。
      中銀は「この例外的、かつ一時的な措置は、スイス経済を深刻な打撃から守った。スイスフランは依然として高水準だが、上限導入以来、過大評価は是正された」との声明を発表した。
      スイス中銀はまた、3カ月物LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)目標レンジをマイナス1.25%─マイナス0.25%とした。従来のレンジは、マイナス0.75%―プラス0.25%となっていた。
      サラシンのエコノミスト、アレッサンドロ・ビー氏は「中銀は常に上限を維持するとの立場を示してきており、今回の撤廃は中銀に対する信頼感を損ねるだろう」と指摘。「非常にリスキーな措置。市場が極端な動きを見せたことでも明らかだ」と述べた。
      スイス株式市場 は一時10%を超える下げとなった。銀行大手UBS 、クレディ・スイス はいずれも約10%下落。時計ブランド「カルティエ」などを傘下に持つリシュモン 、時計大手スウォッチ は軒並み15%程度急落している。
      スウォッチのニック・ハイエック最高経営責任者(CEO)は、中銀の決定は「スイスの輸出や観光産業、最終的には経済全体への津波になる」と述べ、経済に打撃が及ぶとの懸念を示した。
      一方、格付け会社のフィッチ・レーティングスのソブリン格付けマネジングディレクター、エド・パーカー氏は「金融政策の変更はスイス経済の先行きを見極める上で重大なイベントだが、現時点では格付けに関する問題ではない」とし、今回の上限撤廃がスイスの最高格付けに影響を与えることはないとの認識を示した。

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