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マイナス金利政策の視点

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日銀がマイナス金利導入、米国債に資金の流れ


 日本銀行は本日開いた金融政策決定会合で当座預金の金利を3段階の階層構造に分類し、一部金利をマイナス0.1%とすることを決めた。市場は「マイナス金利」に過剰に反応し、ドル・円は一時121円42銭まで買われた。

 ただし、マイナス金利の評価については意見が分かれている。欧州中央銀行が行った措置とほぼ同じであり、当座預金に滞留している巨額のマネーを動かすことが第一義的な目的であるが、お金の主な行き先は企業向け貸し出しではないとの見方で市場関係者は一致しているようだ。

 一部の市場関係者は「日銀の措置は米国債を購入して欲しいとの米国の意向を汲んだものではないか?」と指摘している。中国は米国債を段階的に売却していくものとみられており、米国は日本に対してその受け皿になってもらいたいと考えているのではないか?と見ている。
  • 「ユーロ圏がマイナス金利を導入したのは金融危機に対応するためで、日本の長引く低成長とは違う。「日本で信用拡大が起きなかったのは、銀行が融資を渋ったのではなく、企業が借り入れが必要になる投資機会を見いだせなかったため。マイナス金利をもっても、状況は変わらない。企業は資金を必要としていない。必要なのは投資機会。それは構造改革によって実現するもの。金融政策によってではない。今回の追加策の前に日銀はすでに大規模な量的緩和策を導入しているが、経済成長率を大幅に押し上げるには至っていない」












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株式評論家の見方
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29日の東京株式市場は、日銀がマイナス金利導入を決めたことを受け、日経平均株価は乱高下を経て前日比476円85銭高の1万7518円30銭となった。外国為替市場では、株価の動きに先駆け、一時1ドル=121円台前半まで円安・ドル高が加速。円安進行に伴う主力輸出企業の採算改善期待などを手掛かりに、引けにかけ買い直された。マイナス金利導入を受けて波乱展開となった株式相場の今後について、第一線の市場関係者の見方。

●「1万9000円台で3番天井をつけに行く展開に」
 日銀が今回の金融政策決定会合で動いたことは、株式市場はもちろん、為替市場、債券市場にとっても大きなサプライズだったことは間違いない。ただ、マイナス金利にしたのは日銀にある当座預金口座の一部(マクロ加算残高を超えた部分)にとどまったことで、前回の補完措置の時と同様、小出しにした印象もあり、これがその後、全体株価が急激に値を崩す背景となった。
 為替とリンクさせた先物への仕掛けが波乱の実態で、投資家はそれに翻弄された格好だが、今回の措置について個人的には相応に評価している。おそらく、市場の本音は金融機関に貸し出しを促しても需要が伴わず、安倍政権の成長戦略の現状と噛み合っていないということではないかと思う。しかし、その資金はリスク資産に向かう流れを形成し、株式市場にマイナスに働くということはない。日銀のデフレ脱却、株価浮揚に対する意思が改めて強く示されるなか、日経平均株価はテクニカル的にも大底圏にあるといってよく、少なくとも浮上の契機となるだろう。
 これで相場が完全に立ち直れるかというと、それほど簡単な話ではないことも事実。当面、大勢トレンドは下値切り上げで上値を指向する公算が大きいとはいえ、日経平均は昨年12月1日につけた2番天井2万12円をクリアするのは難しそうだ。海外株市場や原油、為替の動向にもよるが、大勢は3番天井を探りに行く展開を想定する。戻りのメドは1万9000円プラスアルファというところではないか。
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