米金融大手ゴールドマン・サックスのシニアストラテジスト、アビー・コーエン氏は13日、当地での会合で、米国の利上げ開始を受け、長く続いてきた債券市場の好況が終わったとの見方を示した。
同氏は「債券市場に大きな価値はない。数十年にわたった債券市場のブームは終わった」と述べ、それに伴う利回り上昇と価格下落に多くのポートフォリオマネジャーは備えができていないと警告した。 現在は多くの国で2年債利回りがマイナスになっており、米10年債利回りは「あるべき水準にない」と語った。
また、金利が低い時期はさらに低くなるのを期待して借り入れが控えられるが、利上げサイクルが開始されたことで借り入れに拍車が掛かる可能性があると指摘。住宅でも自動車でも、購入希望者は金利が上がる前に買った方が良いと考えるようになるとし、「金利上昇時には経済活動が反応する可能性がかなり高い」と述べた。
米国株については、株価利益率(PER)が16倍で成長の余地があり、株価は適正だと評価。S&P総合500種指数<.SPX>は向こう5年で1─2%の増益を織り込んでいるとし、株価は上昇する可能性が高いと予想した。