日銀の矛盾
債券投資家は立ち往生
日銀は日本国債の買い付けを従前から2倍に引き上げ、国債の相場を吊り上げ、結果的に低金利を実現させ、余った資金を民間に使ってもらうことによって、景気回復、インフレ目標2%の達成を実現しようとしています。ところがインフレ目標2%が達成されれば、当然日本国債(10年物)の金利は2%にまで上昇しなければなりません。こうなると実質的に日銀の行っている日本国債の大量買い付けという政策は自己矛盾に陥っていきます。自分たちは金利を抑えるために長期国債を購入するのですが、目指すところはインフレ目標2%の達成ですから、それは自分たちが購入する日本国債の金利の2%までの実現、これは日銀がこれから購入する国債の大幅な価格下落を意味するわけです。今0.6%の金利が2%の金利になるのですからそんな国債を購入する投資家はいなくなるわけで、それは日銀が購入した国債の価値が著しく減価することを意味します。これはよく考えると完全に自己矛盾です、自らの目指すところが実現することで、自ら投資した国債は屑のようになって大損するはずです。インフレ目標が達成されて長期金利が0.6%のままということはあり得ません。面白いことですが、目標が達成できることで日銀はとんでもない状態に陥るのです、そしてそれと共に日銀に担保されていた円の価値はなくなっていくわけです。
浅はかな解説ですね。買った国債が下落して資産が目減りしても、使用した日銀券はただみたいな製造原価で発行するわけですよ。日銀のバランスシート上は日銀券は負債になるわけで、その負債もインフレで減価するわけで結局チャラなんです。
得するのは政府なんですよ。発行した国債が目減りしてくれれば償還時返済金額も少なくて済むというものです。ただ、既発国債が下落して金利が上がれば、新しく発行する国債の金利も上がるため発行しにくくなるという面があります。