日銀の金融緩和について 貸出支援基金とその影響
安倍政権の姿勢(リフレ+バラマキ+円安)は、おそらくバブルを起こそうとしている。日銀の貸出支援基金は、それを後押しする政策。本来、円安(ドル高)となると、海外からの文句もありそうにもかかわらず、今回はG20でもなかった。外人投資家にかなりのうまみを与えることで官製円キャリートレードの目論見は達成される公算が大。「バブルは、はじけるまでは、バブルとはわからない」のではなく、薄々皆、分かっている。「バブルが続く間は、皆ハッピー」。当面は企業業績もついて来て、ハッピーな相場になる政策が並んでいる。宴のあとには、膨大な借金や不良資産が大量に残り、日本には更なる長期的負担がのしかかる。皆が「自分は賢く立ち回ってバブルがはじける前に逃げれる」と思っている。
●貸出支援基金制度は日銀が0.1%の低金利貸出をする支援。
・日銀は金融機関に対して、貸出の資金であれば無制限に貸出していくという制度 ・民間の銀行が貸出に使うと言えば日銀はいくらでも融通 ・普通の金融というものは銀行が預金を集めてそれを企業に貸出すがこの制度では、企業が借りたいと言えば、日銀が円紙幣を印刷して貸出す。マネーの供給量は爆発的に増加。 この日銀の資金を海外の銀行にも貸出す。 一般的に日本では資金需要がなく、資金を借りに来る企業がない。海外は資金需要旺盛。発展続けるアジア地域などは多くの資金が必要。今回の日銀の新政策では、海外の銀行のみならず、ノンバンクにも貸出す。資金が必要なところは、日銀からただのような0.1%の金利で引っ張ってきて、それを円からドルに転換して海外に投資すればいい。政策金利ベース(現在0.1%)で1年、2年または3年とし、最長4年までロールオーバー可能。有担保貸付であり、何らかの担保を差し出さないといけない。
1)2013年6月から始まる。
・安倍政権は、4~6月の実質GDP成長率を大きくしたいと考えている ・ 6月スタートという制度設計の対応が遅すぎる印象 ・毎年、円キャリー取引は2~5月にかけて加速するという経験則 ・1~3月に円貸出が海外向けに増え、円売り圧力になって、4~6月の実質GDP 成長率を押し上げる ・3月末以降、日銀が国内中小企業向け貸出の増加をサポートすることは、政府 の政策支援と整合的。 2).2013年1~3月の純増額を6月に確認して実行する 3)貸出純増は企業・家計向けならば、表示通貨を問わない。 ・外貨建て貸出も可能 ・上限=無制限 ・官製円キャリートレード支援制度 新制度を活用するのは、外貨建てか海外向けの貸し出し。内外の区別なく、金融機関あるいは企業の活動を支援していく
リスクヘッジ
1)直接海外株式を購入する
2)円安恩恵を受ける、非常に海外売上比率の高い(日本での売上比率の低い)、円安恩恵企業を買う。円安恩恵企業は、良い円安でも悪い円安でも、円安の恩恵を受けるので、結局、海外売上比率の高い、円安で恩恵を受ける企業が想定以上に人気化する可能性あり。
3)金などの商品を購入する
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日銀のインフレターゲット2%の意味合い これまで日本で消費者物価2%以上が安定的に達成された経験は、バブル期以降はない。消費税率の引き上げが行われた1997年と、著しい原油高騰が起こった2008年に限って、一時的な物価押上げがあった。2%は距離感は相当に遠い。 | |||||||||||||||||||||||||
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